スイスのアルプス地方に伝わる民族楽器。
管楽器の仲間で、長い筒状の原始的な楽器。
アルペンホルンやアルプホルンと呼ばれていますが、
正しい呼び方は「アルプホルン」。
リコーダーのように指で穴を塞いだり、
トランペットのように音をピストンで口から送り込んだ空気の流れを変えたり、
トロンボーンの様に管を長くしたりする機構は無く、
口からの空気の圧力、角度などだけで音程を変えながら演奏する。
とにもかくにも、その綺麗で爽やかな音をお聴き下さい。
Alphornvereinigung Berner Oberland – Oberländer Choral 2010
まさにハイジ!
映像をみるとさらに緑の広がる大自然と、
優雅な風を感じます。
スイスの公用語はドイツ語、フランス語、イタリア語 そしてロマンシュ語とまさかの4つ。
スイスは
北にドイツ、西にフランス、東にオーストリアと、リヒテンシュタイン、南にイタリアと、
国境に接している内陸国のため、
地域によって話される言葉が異なり、
スイス人でも全ての言葉を話せる方は少ないらしいです。
しかも同じスイス人でありながら、
田舎の地域になると訛りが強すぎて、
理解できないこともあるというのだから、凄いですねw
ロマンシュ語は一部の村でしか話されていない消滅危機言語のひとつで、
公用語から外れしまったら、言葉を受け継ぐ人がいなくなり、
消滅することが危惧されているのです。
「バルス」の世界ですね。。。
「アルプ(alp)」ケルト語で「山」を意味していて、
ドイツ語では「アルペン(Alpen)」、
フランス語では「アルプ(Alpes)」
イタリア語では「アルピ(Alpi)」。
古来はスイスの高い標高の伝達手段としても用いられ、
音を鳴らす構造はオーストラリアに伝わるアボリジニの伝統楽器の
ディジュリドゥ(didgeridoo)とほぼ同じです。
ちなみにディジュリドゥはこんな楽器。
Ryka Ali Plays Aboriginal Eucalyptus Didgeridoo
一度は消滅しそうになった幻の楽器♪
そんなアルプホルンは本来意
広大な高山牧草地間において、
思伝達のために用いられていましたが、
文明の発達など色々な要素によって
どんどんと演奏する奏者も減って行き、
一度は消滅しそうになっていたとか。
そんな中、アルプ行列や伝統的な祭りにおいて
アルプホルンを再び見かけるようになり、
音楽学者のジョゼフ・フェティが
アルプホルンを指して「スイスの国家的楽器」と称し、
スイスの象徴として確固たる地位を得たのでした。
クラシックの作曲家「ロッシーニ」はウィリアムテルに
伝統的なアルプホルン用の旋律である「ラン・デ・ヴァシェ」(Ranz des Vaches)を用いてます。
それでは最後にアルプホルンの素晴らしい演奏を♪
Lisa Stoll & Kapelle Nicolas Senn – Tanz der Kühe – Potzmusig
それではまた♪